ゆる笑いのブーム

ゆるいと言えば、日テレのZIPをご覧になっていますか?是非6:56分から約2分間の「おはよう忍者隊ガッチャマン」をご覧になって下さい。あの正義の味方のガッチャマンとベルクカッチェ率いる悪の組織ギャラクシーは僕らの世代は懐かしいヒーロー達の戦いです。ところが今放映されれている内容は、現代社会のどこにでもあるような日常の感情や人間関係をガッチャマンとべルカッチェと悪の組織が面白可笑しく表現しているものです。その中でも悪役のベルクカッチェですが、この悪のリーダーのベルクカッチェはとても人が良く部下の提案も良く聞き入れ、かつオネエではないかと思われるキャラクターで登場するのです。2分程度の漫画なのに「どこか フフフ 」とゆるい笑いをしてしまいます。個人的にはベルクカッチェが出てくるのが楽しみでしかたないのです。意外性のゆるい笑いに癒しを感じてしまうのでしょうか。脚本家の方がノリノリで制作しているのを感じることが出来ます。僕と娘はベルクカッチェの意外性ゆる笑いのフックに完全にかかってしまっているのです。(娘は昔のガッチャマンは知りません)

「意外性」の面白さでしょうか。朝から大笑いしたいとは思いませんがフフフくらいは毎朝あると楽しいのではないのでしょうか?

 

この笑いと同質な映画がありました。

映画「紙兎ロペ」をご存じでしょうか?

TOHOシネマの映画の紹介の間に2分程度のアニメが流れていました。「紙兎のロペ」と「紙リスアキラ先輩」とのなんてことない「ゆるい笑い」が面白くて毎回楽しみに映画の前のアニメを楽しみにしていたのですが、ついに今年の夏「映画化」までになってしまいキャラクターグッズまで販売されています。

参考:http://www.fancy-fukuya.co.jp/products/rop/index.html

(地元好きの高校2年生紙兎ロペと、ロペの先輩に当たる3年生の紙リスアキラ先輩との間で繰り広げられるストーリーを描いたショートアニメーション。)

これもSTORYは現代社会の生活の中のどこにでもある何気ない会話を題材にしているのです。

大笑いはしませんが「フフフ」と笑い感が継続すると云うか長いと云うかそんな笑いの映画です。大笑いから「ゆるい継続的な笑い」へ笑いの市場も変化しているのでしょうか?

しかし笑うのは私達本人ですから、不安定な時代に大笑いは出来ませんが「軽く笑って癒される」事がいまの時代は心地良いのではと思います?

 

SOFTBANKBOSSCMコラボレーションは十分に「ゆる笑いフック」が掛ります。それは一つは「なぜ?この二つがコラボを?」です。

携帯電話とコーヒー飲料のコラボは「異業種」の組み合わせです。この異業種に興味のフックが掛ってしまいます。どちらの共通点もCMの内容に「ゆる笑STORY」性があり継続していると云うことと、あり得ない事を映像化している事です。白い犬の「お父さん」が喋り、エイリアンのジョーンズが地球の生活に溶け込んで働いています。異なる市場で独創性のあるもの同志の「組み合わせ」は異業種であればあるほど十分に「フック」が掛ります。ありえないロケーションでありえない登場人物がゆるく笑わせて「ゆるいフック」ではなく「強いフック」を掛けているのです。どちらのブランドにも大きIMPRESSIONのフックがかかっています。

 

 

 

以外性というKEYWORDで繋いでいきたいと思います。

ガリガリ君の「コーンポタージュ味」です。この商品あっという間に「売り切れ」てしまい販売中止になりました。「なし味」はこの夏はよく食べましたが「コーンポタージュ味」を出すとは!企画がかなり「ノリノリ」ではないかと推測します。チロルチョコでも出してはないのでは?コーンポタージュは温かいというIMPRESSIONがあります。ファンタフルフルシェイカーは「振ってはいけない炭酸を振らなければ飲めない炭酸」にしたように価値軸を変えるエレメントを一番強い「逆にする」をもってきたと云う事です。

温かいコーンポタージュが冷たいアイスに変化させたと云う事です。「暖」を「冷」に「スープ」を「お菓子」に「冬」を「夏」に色々な角度からの「逆にする」エレメントが使われ価値軸に大きな変化を与えています。

参考:http://connect-de-r1.jimdo.com/fanta-フルフルシェイカーはどこに行ってしまったのか/

このフラットホームの商品のように「何を載せるか」と言う場合は、価値軸を意外性という観点がとても重要です。この意外性はガリガリ君がアイスではなく小腹がすいた時には

「冷たいスープ」のガリガリ君を食べようという新付加価値をもたらすかもしれません。

さてガリガリ君の次の一手が楽しみなってきました。これもまた「継続的希望感」を消費者にもたせる商品ですね。

 

最後の繋がりですが、スペイン北東部の町、ボルハの教会で19世紀に描かれたキリストのフレスコ画が、地元80歳の女性によって修復され、原画とは程遠い姿に変わりはてたとい

記事をごらんになりましたか?どう見ても「お猿」さんの絵としか見えません。絵を見たときには「ゆる笑い」してしまいました。

もし、修復する人が完璧に上手に修復したとしたらどうでしょうか?こんな世界的なニュースになることは絶対にあり得ません。キリストがお猿さんになった事で、メディアは大きく報道し観光客まで押しかけるようになったのです。偶然の産物かもしれませんが、キリストの絵が「常識内」の修復とすると、お婆さんの描いた絵は「常識外」の価値軸からもたらされたものです。常識外の価値軸に移動したときにひとは「驚き」「関心」をもちます。つまり大きく裏切ったことが人々の心に「フック」を掛ける事になったのです。

 

既存のブランドを刷新するときに「常識 固定観念」の範囲内で刷新しようとしても、市場に強いフックを掛ける事は難しい事です。そのブランドが最も大切にしている物を「逆にする」もしくは「削る」と新しい価値軸が生まれる可能性が高いのです。