恥ずかしい話である。
この話は実際に発生した時に犬友に言っていいものなのか?
かなり迷ったのだ。
「まったくあの飼い主ときたら躾が全くできてない」と思われてしまうのではないか。
それは笑える話なのだけど本人にとっては笑えないし、恥ずかしいから封印すべきかもしれない、そんな恥ずかしい出来事である。
なんとかハチと折り合いよく暮らしたいなと思っているときの事だ。
ハチは相変わらずゲージに入るのが嫌いだし、
オシッコシートには中々シッコをしてくれないし・・・・・。
その夜はハチのリードを僕のベッドの端に固定して夜中に起きないような試みをしていたときの出来事なのだ。
ハチは寝るときはさも従順なわんこのようにクーンクーンと甘えて、家族をハチの味方にしてしまう能力がある。
「パパ ハチは小型犬なのよ、優しくしてあげてね。」と美帆
「パパ ハチはワン子だからね、きちんと躾しないといけないよ。」と美波。
娘たちはハチの味方になったり敵になったりだ。
午前3:00 僕は目が覚めた。
なんか変な臭いがするな、この臭いはなんだろう?
僕はややお酒が残った頭を回転させてこの匂いの元を考えていた。
これはあまりにもリアリティーな匂いだから夢ではないな・・・・・。
そして僕は眠い意識を奮い立たせてその臭いのありかを確認した。
そうそれは僕の後ろから漂ってくる。
思い切って寝返った。
その匂いの元は枕の上にナマコのように鎮座していた。
うんこだ。
ハチがこともあろうに僕の枕に深夜うんこをしたのだ。
僕はトイレットペーパーを長く引きちぎってそのナマコのような物体を枕から除去しようとした。
その瞬間つかみ加減が悪いのかよく見えないのか、トイレットペーパーからはみ出てナマコの一部が僕の指に絡まってきた。
にゅるにゅると生暖かい。
「ギャー うんこが手についた!」
40男が深夜大声を出してしまった。
僕はトイレットペーパー付きうんこをトイレに捨てた。
手を石鹸で綺麗に洗った。
眠い・・・・。
汚染された枕をビニール袋に入れた。
今夜は枕なしになってしまった。
えっ はちはどうしていたって?
ベッドの下に密かに潜り込んで寝たふりを決め込んでいた。
遠くで新聞配達のお兄さんの足音が響いていた。
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