対決


 

戦うしかないな・・・・ぼくは思った。

 

過去の経験から「誰が主人」なのかはっきりさせなければ犬との生活はできない。

シッコ犬のハチ勝負だ!家族NO1の座をかけてハチとの戦いが始まった。

 

暴れまわるハチをゲージから出して、ハチを押さえつけマウスを握り目を睨む。

 

「何をするこいつ!口が開けないじゃないか!ガルル ガルル かみついてやるぞ!!!」

「ガルル ガルル  このやろう俺様になんて事をするんだ!!!!かみつくぞ!!!」

 

「いて!  こいつ逆らう気だな  静かにしろ!  俺が主人だぞ!!」

 

再度 マウスを握って目を睨む!

 

「いてて 息が出来ないじゃないか 放せ 放せ このやろう  絶対かみついてやる

シッコもかけてやる!」

 

「こいつ まだ分からないな! 俺がお前を段ボールから助けたんだ!  この売れ残りのウッカリハチベイめ!  人間様の強さを思い知らせてやるぞ!!!」

 

マウスに力を入れる   上からのしかかって 動かないようにする。

 

「こいつ・・・・ 強いな   いてて  ク―ン ク―ン」

お! 効いたかな・・・  もういいか・・・・

 

そばで娘の冷めた声

「大人げないのね 本気になっちゃって・・・あいては子犬なのに」

 

え!  これをやらないと「躾」が出来ないんだぞ!

好きでやってるわけじゃないんだぞ!

ご主人さまを認識させないと楽しく生活できないんだぞ!

少し力を抜いた瞬間、

 

「今だ! 脱出だ!」

 

「あ 逃げやがった!」

 

「まて ハチ!!!!!!」

 

こんな格闘を3回程繰り返し繰り返し行い、お互いに疲れて目を見つめあった。

 

ハチ 3キロ  VS 僕 63キロ  の死闘である。

 

「お前やるな」   

 

「こいつは俺様よりも強いな・・・」

 

「ハチ」 と手を差し伸べる

 

耳を垂れてホフクゼンシンでにじり寄ってくる。

 

抱いてやるとベッタリ体を寄せてくる。

 

僕の長男「ハチ」が誕生した。

 

なんて可愛いんだ。

娘よりカワイイな・・・・

 

僕に新しい家族ができた。

 

ハチの優先順位はパパ ハチ ママ 美波 美帆 に決まったようだった。