宿命のライバルとの戦い
ジャックラッセルのテリ助である。
彼は八景島のグランドでサッカーボールを追いかけまわす事を日課としている小さいが強靭な体力と抜群の反射神経を兼ね備えたジャックラッセルだ。
夕方の散歩である。
いつもの犬友がドッグラン広場に大勢集まる。
ハチとテリ助である。
距離を3メートル
お互いに近づこうとしない。
耳としっぽと背中の毛を精一杯立てている。
この一発触発の雰囲気の中、その3メートルの距離がだんだん縮まる。
距離2メートル
お互い鋭い視線を投げ掛けて「眼」の飛ばしあいだ。
やや下方向を見て少し歯を剥き出してウーと唸りだす。
他のワンちゃんは近寄らない。
距離1メートル
とその距離が1メートルをきった瞬間、両者は今までためていた
「なんだこのやろうエネルギー」をビッグバンのように爆発させた。
ぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!!!!!!
両者が駆け寄り激しい取っ組み合いが始まろうとする。
二人の飼い主はその瞬間を見計らい両者を分ける。
両者抱え上げても白い歯を剥き出して威嚇している。
小さいながら迫力満点である。
決して友達にはならない宿命のようだ。
小型犬ながら激しいテリア魂がぶつかり合ったのだ。
テリ助のパパと「いや強いね!激しいね!」お互いの強さを讃えつつも、どちらかが怪我をしては大変だから先にどちらかがドッグランにいる場合は遠慮する事にした。
帰り道
「ハチ テリ助強いな」
尻尾がいつもよりピンと立った。
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