「巣鴨信用金庫の進化」
〜「かわいい感性デザイン賞受賞」(感性工学会)〜
固いイメージの「信用金庫」が「かわいい」「感性」「デザイン」とイメージから離れた名前の賞を受賞された。
変化する社会の価値観に合わせて対応されている巣鴨信用金庫の目的は「金融ホスピタリティー」だ。すなわち地域のコミュニティースペースとして地域の方気軽に滞在出来る空間を提供する事だ。ライバルは他の金融機関ではなく「カフェ」「美容室」「レストラン」のような「コミュニティースペース」を持つ空間だ。
元来の金融は「信用と安全」を主張するかのように重厚な石作りや鉄格子等お役所的な行員がそのイメージの象徴であった。その後「威厳の象徴」で決して潰れない銀行が倒産併合されて行く姿を社会は見ている。
機能的には「早い事務処理」と「お待たせしない窓口」が消費者からのニーズの上位であるが、この巣鴨信用金庫はその先の姿を追い求めている「折角来たのだからお茶でも飲んでくつろいでいこう」と思えるコミュニティー空間を作る事だ。
人口は減少し続けて行く。高齢化は加速して行く。この環境の変化は新しい金融機関の「デザイン」の可能性を生む。「変化はINNOVATIONのインキュベーター」なのである。このコミュニティー空間は新たな金融商品と巣鴨地域市民の関係を孵化する場でもあるし、顧客の囲い込み戦略とも言える。
このコミュニティーから新しいビジネスが生まれる要素は高い。この新しいコンセプト(哲学)を伝えるには「言葉」よりも「よい印象」を正確に伝える事が必要なのだ。商品の5重構造の外枠の「COMMUNICATION」の部分である。
参照:http://connect-de-r1.jimdo.com/branding/商品の5重構造/
新コンセプトに合わせてお店をデザインすると「カラフルな外観」「くつろげる空間」「解放的な空間」「職員のおもいやり接客態度」が生まれた。商品も組織も「価値構造」やブランディングの基本は変わらない。根本なる哲学が機能を作り、それに従うお客様に見える「COMMUNICATION」の質がブランディングの顔となる。
金融哲学の価値軸を「金融ホスピタリティー」にずらしINNOVATIONを起こした巣鴨信用金庫さんの柔軟性が素晴らしい。お客様に慕われる「地域のかわいい信用金庫」の誕生である。変化に合わせて「価値軸」をずらし順応する企業は老舗企業の条件である。
最も強い種が生き残るのではなく、
最も賢い種が生き延びるでもない。
唯一生き残るのは、
変化に対応出来る種である。
ダーウィン
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