「現地現物現状主義」
〜新幹線は「世界4バカ」だった?〜
新幹線が50周年を迎えた。
時速200キロメートル以上で走った最初の電車で「死亡事故
ゼロ」を半世紀にわたり守っている日本が世界に誇る新幹線で
ある。
この新幹線の建設が決定した昭和30年代に「世界4バカ」になるのではないかと言う意見が一定の指示を得ていたそうだ。
知らなかった。
いったい誰がそんな予測をしたのだろうか?
戦争を起こす事自体が最も「馬鹿」だのだが、終戦間際の旧帝
国海軍では、莫大な金と労働力を使いながら約に立たなかったものを「世界3バカ」と揶揄していたそうだ。
それはピラミッド、万里の長城、戦艦大和の事。
そしてこの事を元帝国海軍士官で鉄道ファンの作家「阿川弘之
氏」も同調して当時の新聞に記事として書き「世界4バカ」と
して紹介したそうだ。
発言者が影響力のある人である程、同調する人が多く出てくる。
これは「権威主義の罠」である。権威ある人や会社が主張した
言葉は疑われる事なく人は信じてしまう。特に我々日本人はその傾向が強いと思う。我々の社会は「性善説」を基盤として出来ているので、他人の言葉を「疑う癖」が少ないのだ。
サブプライムを絶対安心というトリプルA評価した米国の保険
会社モノラインは30年間無事故であり健全企業であった。
しかしこのトリプルAの判断がリーマンショックを招き、絶対倒
産しない銀行を倒産させたのだ。
我々の生活は「権威主義の罠」で取り囲まれている。組織の上司や先輩の発言、マスコミやテレビの社説やコメント。必ず「それって本当かな?」という自分の考えや推測をする癖を持つ事
は非常に重要である。
では権威主義の発言はどのような環境で外れるのだろうか?
あたってきた予測が当たらなくなるのはなぜだろうか?
一定の環境が継続的に保持されるのであれば「予測」は当たる
可能性が高いのではないだろうか。それはロジカル思考で予測
と計算が可能であるからだ。
しかしあるINNOVATIONが起きて、それが社会の価値観をずら
して成長変化している状況では予測は外れやすい。
かつて外資系のボスに「現地現物現状主義」を口が酸っぱくな
る程言われた事がある。「現場に行って自分の目で見てその上
で現実に即した判断をしろ」という事だ。
ITで情報収集が便利になったからこそ、この言葉は尚更重要な
行動指針だと思う。
なぜなら我々は「ITという便利な罠」の中に生活しているから
だ。「現地現物現状主義」は「権威主義の罠」から守ってくれるのである。
誰も他人のやり方を真似すべきではない。
なぜなら、真似をすれば、自然の子供ではなく、自然の孫でし
かない。我々には自然の形態が沢山与えられているのだから
直接自然に触れることが大事だ。
レオナルド・ダ・ビンチ
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