OVER LAPPING 現象

 

OVERLAPPING現象」

〜異なる物が重なり合う〜

‘オーバーラッピング現象’が様々な分野で起きている。

物の価値軸は絶えず変化している。例えばハンカチの価値軸は「自分で使う」から「ギフト」として捉えるとハンカチのライバルは同じ雑貨のスカーフや小物よりもデパ地下なのだ。

http://connect-de-r1.jimdo.com/sparkling-idea/ハンカチのライバルは誰だ/

エチケット商品と食品がギフト商品としてオーバーラッピング

してせめぎ合っている。

近い将来大きなINNOVATIONが起きそうな「車」市場をイメージするとTOYOTAのライバルはGOOGLE である。

かつて1960年代にTOYOTAのカローラは米国で低価格と高

品質でINNOVATIONを起こしている。TOYOTAの価値軸はFUN

TO DRIVE。「運転して楽しくない車」は認めない。

ところがGOOGLEの価値軸は「ドライバーを運転から解放して

ネットワークを繋いで利便性や安全性を追究する事」だ。

価値軸が全く異なるのである。

かつてフォードが1900年に車を作り「馬車」という乗り物

の産業を終わらせた。そして車産業はINNOVATIONをおこした

米国から日本へ指導権がカローラのINNOVATIONで移り現代に至っている。産業の覇者は「栄枯盛衰」の歴史そのものである。GOOGLEの車に対する価値基準を消費者が選べばTOYOTAは危うい立場になる。同じくエネルギーの石油から電気への転

換という流れも大きくこの両者の戦略を左右すると思われる。

又、株式時価総額ではGOOGLETOYOTAの2倍以上ある。

巨大な組織ではINNOVATIONは起きにくい。既存の組織が創っ

てきた企業の常識価値を壊す事になるからだ。当然組織内の利

害関係が意思決定の期間を長くしてしまう。経営のトップにセ

ブンアンドアイの鈴木会長のように「今ある物はどうせ長くは

続かない。新しい物を創れ」というような哲学を実行出来るか

どうかがポイントになりそうだ。

しかしTOYOTAにはINNOVATIONDNAがあると思う。

100歳で亡くなった最高顧問の豊田英二氏は言い続けていた。

「理想の車は觔斗雲、孫悟空が乗っていた雲の乗り物」だと。「タイヤに縛られないで安全に自由に移動出来る乗り物」だと。いわゆる空飛ぶ車である。ここにTOYOTAINNOVATIONの魂

を僕は感じる。これを受け継いで取り込む事が出来るか否かで

次の車産業の覇者が決まると思う。

このオーバーラッピング現象は異業種格闘技をダイナニズムに

した現象だ。あなたの業界はどうですか?

 

人はだれでも、想像できることなら、

どんなことでもできる。

ヘンリーフォード