組み合わせて掘りさげて繋ぐ

 

年末にイトーヨーカドーの業務提携のニュースが3つあった。

 

一つは通販会社のニッセンホールディングス

二つはFRAN FRAN

三つはトレンドファッションのリテイラー「バーニーズニューヨーク」の業務提携だ。

 

マルチチャネルの戦略を一歩進めてオムニチャネルを構築を目指す戦略ということだ。既存のビジネスにはないポイントを組織の中に「新たにつくる」のではなく「外部機能を買う」事で、素早いビジネス展開が期待できる。

 

ニッセンで通販のビジネスモデルを既存の組織に組み入れてチャネルの拡大し、若い女性を中心に人気のフランフランでファッション雑貨を取り入れ、バーニーズニューヨークでファッションのイメージを強化する戦略だと思う。変わろうとしている気配を感じる。そして既存のチャネルと新たなチャネルを繋いで行くのだろう。もはや、単一のチャネルを深く掘ってみても「売上げの拡大」は期待が出来ない。つまり「組み合わせて深く掘り横に繋ぐ」事。今年の僕の提案である。

 

将来的にはアパレルに特価したファッションの伊勢丹のようなイメージ付けが考えられる。「素敵なライフスタイル」のイトーヨーカドーのように成長するかもしれない。少なくともそんな「種」を蒔いて育てようとしているのは間違いない。

 

現代は欲しい物が格安で何時でも買い手側が選ぶ事が出来る「超成熟化市場/超買い手優先市場」だ。「物/事」そのものはもちろん「物/事」をとりまく「イメージの囲い」が重要な時代なのである。「イメージの囲い」が市場に伝えるパワーはとてつもなく大きい。イトーヨーカドーは「ファッション」を組織の機能に取り入れて「物/事」の価値観から「ファッション=素敵」のイメージの価値観に転換を始めている。「物/事」だけに特化すると最終的には「価格競争」が始まり「特価」という価値軸で薄利多売のビジネスになりがちである。

 

これは地球に優しくないビジネスだ。環境にかけた負荷と投資した質量に対して「満足度」が低い。しかも100%完売する事はないし安く購入された物は「大切」にされない傾向がある。しかしファッション軸を入れると「ライフスタイル商品」のへ展開が可能なのである。なぜならば「物・事」価値+「イメージ」価値へと顧客の購買決定要素が総合的判断をするからである。

 

価格という事を考えてみよう。

低価格帯だけでは客単価が上がらず人口が減少する中での売り上げの拡大は難しい。低価格は原価が低い「プライベイトブランド」を充実させて中価格帯を狙っていくのだと思われる。セブンイレブンでクリスマス時期に3300円のロゼのシャンパンを販売していた。ワインショップでも3300円は売れ筋の価格帯の一段上の価格帯だ。プライベイトブランドのワインが500円以下。そして同じく3300円のロゼのシャンパンも販売する。そんな価格構成が今年は増えると思われる。

 

例えばフランフランが作ったボージョレーヌーボーが店頭に並んでその横には、ワイングラスやチーズや生ハム等の「素敵な生活」の商品を並べる事が可能なのである。その横には、セブンイレブンのプライベイトブランドのワインが並べてあるMD構成である。

そして「イメージ」を確立する為のマーケティング計画を「繋ぐ」必要がある。

 

 

大事なのは知識よりも

想像力である。

アルベルト・アインシュタイン