感動と共感 

 

 

9/28日、日本オリエンテーションにて「学び合いの場」のテーマとして参加者の皆さんとディスカッションしました。ディスカッションが進む中でテーマが「感動と共感」に絞られて行きました。異業種なのですが「感動と共感」については参加者全員が大きな関心を持っていますので中身が濃い時間を共有出来て刺激を受けた2時間でした。

是非皆さんもご参加下さい。

ひらめくチャンスが一杯です。

(参考)http://www.jorien.com/

 

感動の源を大きく2つに分けてみました。

   「自然発生的なもの・こと」・・・・・自然の風景 偶発的 予期しない事や物

⇒美しい風景 予期せぬ現実 スポーツ ドキュメンタリー 

*人為的な要因が含まれない 

 

②「意図的なもの・こと」・・・・・人が意図的に感動を表現しようとする事や物

⇒恋人へのプレゼント 新商品 芸術 映画 小説 音楽

*人為的な考えの基に工夫されて表現される 

 

この二つの感動の源から「感性」がOUTPUTされていると仮定します。

(参考:http://connect-de-r1.jimdo.com/感性の種類/

 

共感はこの感動の源からOUT PUT された「感性」が第3者にIN PUTされたときに、同じ感動を感じることが出来れば「感性の同期化」がなされ「共感」が生まれます。人は何かしら感動したものは第3者に伝えたくなりますから「口コミ」が発生してこの「共感」の輪が大きくなります。

 

「自然発生的なもの・こと」をイメージしていきたいと思います。美しい風景を見て人は感動を覚えます。殆どのケースはこの受動的で自分と感動源の1:1のシンプルな関係の感動ではないかと思います。今はFACE BOOKBLOGで「個」の感動を「公」へ簡単に発信できる時代になりました。

 

殆どの芸術家は自然の風景や現象に「感動」して創作活動がおこります。プロバンスの風景の感動が印象派の画家たちを育てたと云っても良いと思います。つまり「プロバンスの風景の感動」=「感動を基にした作品」=「第3者へのプロバンスの風景の感動」と感動の共感がおこっています。

 

「自然発生的なもの・こと」が「意図的なもの・こと」に変換されて「感性の同期化」がなされて第3者が同じ感動を共感できたと云う事です。

 

ディスカッションの中で「懐かしい写真のアルバムを偶然見つけて感動した」という感動経験談がありました。これは「懐かしい写真に出会った感動」=「偶然の出会い」として「物」と「私」の「2共感」です。ここでは「偶然」「思いがけず」という要素が大きな感動の前提としてあります。

 

「偶然」「突如」「予測外」「思いがけず」「ギャップ」「STORY性」これは「感動」をもたらす大きな感動前提要素のようです。

 

もう一つの体験談としてカレー屋さんの話がありました。

 

友人と何人かで食事して自分だけ「福神漬」を残したら次回から自分だけ「福神漬」がついてこなくなった。そして久々に訪れても同じく自分だけ「福神漬」が付いてこないカレーが出された。こんなカスタマイズされたサービスに感動したという体験です。これは「個別にお客様をもてなす」というカレー屋さんの想いと「自分の事を覚えてくれて同じサービスを提供してくれる感動」が同期しているのではないでしょうか?「事の感動価値」と「私の感動価値」の同期化が起こったのです。

やはりここにも感動前提要素の「思いがけず」が働いています。

 

この二つの感動体験談は第3者に「意図的」に伝える事で感動の共感が生まれます。

その伝え方の「質」「量」がポイントとなります。

 

「意図的なもの・こと」⇒人は感動を覚えると「伝えたい」「表現したい」という本能があるのだと思います。この行為は「意図的」な「物」や「事」に創作変換されてその「感動価値」を第3者に伝えようとします。そして伝わったときに「感動」の「共感」がなされた事になります。

 

「新規企画」を追い求める企画者は全てこの「意図的なもの・こと」の世界にいるわけです。商品に伴う付加価値に「感動」の要素を持たせて、その同じ「感動」が消費者に伝わったときに消費者は「共感」しヒット商品となりえるのです。言い換えれば「感動の同期化」がなされると云う事です。

 

当たり前のことを当たり前に作るのでは「感動」は生まれません。

感動前提要素の「偶然」「突如」「予測外」「思いがけず」「ギャップ」「STORY性」が中に含まれている事がヒット商品の前提条件となります。

参考:(http://connect-de-r1.jimdo.com/story性/

 

感動にも歴史があり変化していると思います。

 

高度成長時代に放映された「巨人の星」の星飛雄馬をご存じでしょうか?(現在はauの宣伝にお父さん お姉さん ライバルの花形満と面白く共演しています)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%A8%E4%BA%BA%E3%81%AE%E6%98%9F

 

当時の殆どの男の子の夢は「野球選手になる事」でした。日曜日の7:00のゴールデンタイムに野球少年は全員楽しみに見ていた「熱血根性野球ドラマ」です。(感動盛りだくさん)ドラマの中で、「俺は今猛烈に感動している」と飛雄馬はマウンドでよく唸っていました。この時代の「感動」の「質」や「量」は解りやすく捉えやすく、皆が同じもの・ことを見て感動していた時代だったのです。

MARKET IN の手法はこの時代の産物です。

 

今はTVやインターネットがもたらした「情報過多」の影響で、この感動の「質」が広がりや多様性を持ち「量」は大きな塊から小さな固まりに変化して減少しているのではないかと思います。また「感動のライフサイクル」が短くなってしまったのではと思います。

 

あの「根性一筋の星飛雄馬」がAuCMで面白可笑しく扱われる時代なのですから。今の時代は全てそうですね、AKB48はすぐ近くにいる女の子がアイドルになってしまった。「威厳・崇高さ・スター・カリスマ」に対するハードルが低くなっていると思います。これも「感動」の絶対価値が変化している要因のように思います。

 

MARKET INの発想はロジカルシンキング(左脳)が中心となります。すなわちデータを分析して「最適な答え」を引き出す手法です。コンペチターも同じ手法ですから同業他社全て同じ「最適な答え」になり、やっと見つけた小さな需要のケーキをあっという間に食べつくしてしまいます。ロジカルシンキングでは「感動」することがますます難しくなっているのです。

参考:(http://connect-de-r1.jimdo.com/感性の歴史/

 

これからはPRODUCT OUTの時代です。分析力ではなく「創造力」が求められる時代なのです。PRODUCT OUTの企業と言えばマーケティング部を持たないエルメスのようなPRODUCT OUT の手法はどの企業も簡単に出来るのでしょうか?

参考:(http://connect-de-r1.jimdo.com/エルメスの審美眼/

実は出来ないのです。

 

それは「商品企画」自体が「管理システム」に管理・評価されているのでどの企業も簡単には出来ないのです。最終企画決定は沢山の役員の印鑑が必要な稟議書がなければ進めませんから。ここにPRODUCT OUTの手法を取り入れる企業にビジネスチャン

スがあるのです。

 

APPLEはまさにこの手法を先に取り入れた企業の一つと言えます。

参考(http://connect-de-r1.jimdo.com/steve-jobs-の罠/

PRODUCT OUT INNOVATIONを呼び起こします。

 

そこには無数の「感動」が眠っているのです。

近い将来、企業にとってPRODUCT OUT力は株価をも影響する大きな評価基準となると僕は予測します。

参考:(http://connect-de-r1.jimdo.com/創造性豊かな感性マーケティング/

 

 

当たり前の事や、誰もが考えるような発想からは

何も新しい物は生まれない。

予定調和をどう突き崩して行くか?

それが勝てる企画の発想法なのである。

 

秋元 康