素晴らしい「広葉樹ブランディング」

このしっかりと大岩を抱いた樹木は広葉樹の森で出会った。

その樹木はしっかりと大岩を抱いて深く深く根を地中に伸ばして毅然としている。

久重連山の黒岳の麓の「男池」での佇まいである。なんとも力強く美しい姿に感銘を受けたのだ。紅葉が終わって落ちた様々な形の「丸い葉」が敷き詰められた足元はふわふわしている。やがてこの落ち葉は腐葉土となって土に戻り雨は豊かな湧き水や温泉となって地上に還元されるのだろう。これは時間をかけて作る強いブランドそのものだと感じた。

ブランドがしっかりと強く地中という市場に根を下ろしているので嵐で大雨が降り濁流になってもこの広葉樹の木はビクともしない。つまり環境が変わっても市場から消えて行く事がないのだ。それは毎年「季節」に合わせて芽を出し・花を咲かせ・実を作り・紅葉して落ちていくPDCAのサイクルを毎年継続して営んでいるからに他ならない。更にそれは森の昆虫や動物たちにとっても生きる為の恵みとなっている。つまりは土地に(市場)恵みを与えて広葉樹(ブランド)もまた「養分」(利益)を土から吸い上げて森を形成し育成しているのだ。まるで企業と市場の継続的な互助関係を形成しているようだ。理想のブランディングを広葉樹に教わった気がする。このような生態の広葉樹のブランディング哲学を考え

てみると「ためらわずに進化」する事ではないだろうか?

一方で針葉樹はこのブランディングに当てはまらない。針葉樹は縦に伸びる成長が早く「換金」が短期間で出来るので多くの杉林が日本国土を形成している。だが広葉樹のように「根」が深く地中で育たないのだ。根が浅いまま上に成長する事は、投資効果を短期で求めている不安定なブランディングと同じだ。市場(土地)に「ブランド認知」(根が浅い)されていないので大雨が降ると山の斜面から流されてしまう危険がある。先の九州を襲った大雨の

痕跡をみると一目瞭然である。ブランディングができていないのに売り上げを求めすぎる

と「環境」の変化に対応できずに倒れてしまうのだ。

自然科学の研究では「針葉樹」が進化して「広葉樹」が誕生したそうだ。

さてあなたの関わっているブランドは「広葉樹タイプ」だろうか「針葉樹タイプ」であろうか?

森林浴をしながら考えてみてはいかがでしょうか?