300年の眠りから目覚めたブランド

Faure le page  
フォレ ル パージュ  

300年の眠りから目覚めたブランドの話である。  

(歴史と伝説) 
1717年 狩猟の為に生まれた狩猟の為フランスのバッグブランドである。フランス革命の時には市民に武器を提供していたという歴史的な伝説を持つ。 
それは埃や雨から銃を守り、仕留めた獲物を保管し、銃弾を保存していた。全天候に対して、絶対的な耐久性を持つバッグでなければいけなかった。そこには素材や縫製にこだわりの職人の「技」が生まれた。

(目覚め) 
このような伝説を持つブランドがパリのとある建物の地下に300年もの間、人知れず眠っていたのだ。他ブランドが真似できない再現不可能な驚きの伝説を持ちながら。

(伝説に恋したフランス人) 
それは21世紀に入り発掘され新しい息吹を与えられた。 
あるフランスの初老の紳士がそれを発見して、新しい生命の息吹きのために投資をした。彼はそこで眠っていた様々なデザインと縫製技術を発見し現代に再生させた。ブランドのアイコンはなんと騎士が戦いで着ていた鎧のモチーフだった。彼は心底惚れて、イヤこのブランドに恋したんだろうと思う。パリ市内の伝統を頑なに守る縫製職人を探し商品を復活させた。300年前の伝統的なデザインを中心に、新たな現代的なデザインも取り入れた。そしてCHANELがかつて1号店として出した目ぬき通りに、ショップを展開したのだ。さらにパリの老舗の百貨店に強烈に売り込みグランドフロアにコーナーを出す事に成功した。

(情熱が道を開く) 
初老の彼は日本での展開を目指し「情熱」を持って来日した。 
商談で百貨店のトップと話すときには、体を前に乗り出して大きなジェスチャーで自分のこのブランドがどれだけ素晴らしいものなのかを「伝説」や「素材」「縫製」「デザイン」「販売実績」を踏まえて唾が飛ぶ勢いで話すのだ。こんなに情熱的なフランス人は稀である。それはブランドに対する「愛情」が「情熱」となり人の心を動かしていく。 
今では大阪の有名な百貨店と銀座みゆき通りに店を構えている。  

(ブランド資源) 

フォレ ル パージュのブランド資源の中には、誰も真似できない「歴史と伝説」が眠っていた。強い老舗ブランドは必ずこの「伝説」を持っている。それは「機能」以前の印象的な「魅力」として脳に刻み込まれ「憧れ」と変化する。 
新たな「魅力」を作るよりも「既存のブランド資源」を見直し「魅力価値」を引き出すことは非常に重要なブランディングの手法だと教えてくれる。