バイオリン業界では300年前にイタリアのクレナモで作られた楽器が最高とされている。これは有名な演奏家たちが目隠しで新旧のヴァイオリンを演奏して「最高の音色のヴァイオリン」を選んだ結果の話である。 出挺楽器は6挺のイタリアンヴィンテージバイオリンと最近作られた6挺のバイオリン。12挺のバイオリンを有名な演奏家たちが目隠しで実際に弾いてNO1を選出した。最新のものは「エージング加工」(古い感触)が表面に施してあり目隠しでは判断がつかない。 弓は演奏家たちの愛用のものが使用された。演奏家たちが目隠しで選んだ結果が面白い。 1位:新作 2位:新作 3位:ビンテージ 全員がヴィンテージを選んだつもりだったが4分の3は新挺を選んでしまった。 -「イメージ」や「思い込み」がブランド力を大きく左右する。 ではそのイメージはどうやって熟成したのだろう。 -月日が「ブランドストリー」を熟成させて価値を高めた。 最高の技術の結集のバイオリンが限定で生産された。 クレモナからヴァイオリン職人が消滅し再生産されなかった。 有名な小説のシーンに使われた。数々の名演奏家に愛される。 -基本的な楽器の価値の「美しい音色」の価値よりも「コレクター要素」の価値に変化した。(資産価値化現象) ワインやクラッシックカーと同じ要素だ。 その機能よりも「歴史を所有する」という魅力だ。
-新しいヴァイオリンの音色が美しくともブランドのストリー性がなければ価値が出てこない。
商品の価値とブランドの関係は面白い。いくら機能が良くてもストリー性がもたらす「フック」がなければ強いブランドとして残らない。 「価値の根源」はその機能の本質である。しかし「イメージ」や「歴史」がそのブランド力を大きく左右する。 「ブランド」は歴史とともに熟成し機能以上の付加価値を付けて益々魅力を放つものあれば静かに眠ってしまうものもあるのだ。 人生も同じく一つのブランドだ。 |
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