NEILは英国人だ。190センチの大男だが繊細でその語り口は優しい。彼は1年間を3つの国で過ごす。英国で6ヶ月
カナダで3ヶ月間、大学の教授として過ごし残りの3ヶ月を鎌倉で英会話を教えている。僕は彼と年間に3ヶ月だけ
鎌倉のスタバ(2人はカマバと呼ぶ)で英国の英会話を習っていて先週が最後のレッスンだった。
彼に僕は英国の事を色々質問する。彼は的確に面白可笑しく実体験を踏まえて教えてくれる。忘れないうちに書き留めておこうと思う。
ロンドンにはゴーストが沢山住んでいるのか?
その通りだ。人間と一緒に住んでいる。彼のお姉さんはお城を持っている富豪の家に嫁いだ。そこには5人のゴーストが住んでいるそうだ。(当たり前のように話す)彼が見たのはそのうちの2人だ。
白いドレスを着て階段の踊り場で見かける通称スザンヌ。綺麗な人だったらしいが家族は全く普通に生活しているそうだ。彼がそのお城でのパーティーに参加したときに見えない2人目のゴースト体験をした。いわゆるボルダーガイスト現象だ。友人がここの暖炉の横に物を置くと無くなってしまい全く別の場所で後で見つかるらしいという。彼はそこにウオレットを置いてパーティー会場で遊んで戻るとウオレットがない。主に言って探してもらったそうだ。するとどうだろう。多分あそこだという雰囲気で頑丈な鍵がかかっている扉を開いて塔を上った部屋に案内されたそうだ。ウオレットがテーブルの上に置いてあったそうだ。主が言ったそうだ。あいつはここが好きだからね。
うーん。面白い。あとの3人のゴーストは来年聞く事にしよう。
ストーンへイジの下に4000年前の遺跡が発見された。
NEILはストーンへイジが窓から見える場所に幼少時代住んでいたそうだ。近くでみると何処から誰がどうやってこの大きな石を運んできて立ててその上に重ねたりしたのか?全く想像もつかないそうだ。場所はロンドンとドーバー海峡の間の丘にある。タイムマシンがあれば行って見てみたいというのが共通意見。本当の事を知りたいのだ2人とも。2人で話した推測だが、その当時は温暖でヨーロッパ大陸は黒い森と言われたぐらい鬱蒼としていた。ストーンへイジは海からさほど遠くなくて
住みやすい環境だったので人が集まり始めて今とは全く異なる「文明」を作り上げた。土木技術も今とは異なるテクノロジーを持っていたのだろう。(詳しくはタイムマシンがないと解らない)
やがて気候が寒冷化しはじめた。人々は南下を始め移動を開始してその「文明」は廃墟となった。
南下した人々はローマやギリシャの文化を暖かい地域で開花するに至ったのではないかという憶測で
一致したのだ。
宗教観
彼はキリスト教の信者ではない。両親と教会には行っていたが「僕は信じてはいない」と言っては、母親から叱られていたそうだ。彼のお父さんもどうも信じてはいなかったらしい。キリストが生まれる前は世界中が多神教の神様の価値観だった。自然を畏れて暮らしている人々にとっては当たり前のことだと思う。それをキリストが登場した事で一神教の神が登場して争いが始まるようになったというのが彼の考えだ。僕も全く同感だと思う。神様が沢山いれば、ある神様が駄目でも他の神様がよければ生活はできる。砂漠の一神教は逃げ場がない。アラーのお願いして適わなければ他に祈る神がいないのだから。だからかれらほど熱心にアラーに日に4回も祈りを捧げる敬虔な信徒はいない。だから汚されたり祈りが伝わらなかったりした時の反動が大きいのだ。2人の考えが一致した。
宇宙と原子の世界
お互いに神と感じるのは「宇宙」だけだという哲学を持っている。ビッグバン以来宇宙は成長を続けていて我々の体もまたビッグバンと同じ成分で出来ているのだ。すなわちその成分は成長するというポジティブな性質を本来持っているのだから、ネガティブな考えつまり成長しないという思想や行動をとると本質の性質と異なるのでうまく行かなくなるのだ。
宇宙は無限であるように実は原子の世界も突き詰めて行けば無限なのだ。ここが最後の小さな物はなくて何処迄も無限の世界なのだ。我々は一つのエネルギーであってたまたまこのサイズで活動しているだけだ。無限と無限の間で生命活動している一つの成長するエネルギーなのだ。
こんな話を鎌倉のスタバで話していた。彼とは考えが同期化することが非常に多いのでお互いに驚いている。
イギリスには妖精がいるのか?
英国の庭には妖精が住んでいるのか?おばあちゃんは庭で一度見た事があると言ったそうだ。多分いるのではないかというのが彼の意見だ。ロードオブザキングのような世界観がイギリスには本来息づいているようだ。日本で言えば水木さんの妖怪観に相通じるところがあるが、英国のそれは美しくて
あまりドロドロしていない気がする。この概念が育つという事は海に囲まれた島国で四季があり豊かな自然環境だと言う事だ。
スコットランドの独立。
統合されて300年もたつスコットランドが独立をなぜ望むのか?
根底にあるのは人種と人生観と言葉が全く異なるのだそうだ。彼でも本当のスコットランドの言葉は解らないそうだ。ユナイテッドのファーガソン監督もスコットランド出身だ。彼の英語は僕は全く聞きとれなかったが、NEILはファーガソンの言葉は解るがネイティブスコットランドの言葉は解らないよ言う。スコットランドはバイキングからの血が濃いく北から来た人達だという。対して英国は南から流れてきた人たちが多くて「人生観」が全く異なるそうなのだ。日本を思うと「アイヌ人」がスコットランド人に相当するのだろうか。日本は明治維新後にやっと「日本国」の概念がうまれて統一国家が誕生した。ところが300年も前に統合されたスコットランドはなぜ今「独立を」という点について彼は「協調性」や「原理性」の価値観が異なると言っていた。
日本で言えば北海道や四国や九州が独立国家を目指していると同じある。
今回は独立の夢は叶わなかった。
コメントをお書きください