ある実験が行われました。
ある大学で夕食後の学生達に無料でカレーライスが食べれると
アナウンスしたそうです。学生は満腹なので食べようとは思い
ません。ところがある一言で、全員が満腹でも「食べたい」と
言い出したそうです。
その一言は「ICHIRO選手のお母さんが作ったカレーライス」と
いう情報です。この一言でカレーライスの価値軸が大きくずれ
て「満腹でも食べたいカレーライス」に変化したのです。
カレーライス市場は低価格の立ち食いそばやフランチャイズ展開のカレー、そしてインド料理店のカレーや高価格の欧州カレ
ーなど(欧州にはカレーはありませんが)素材やルーやスパイ
スにこだわったカレーで溢れており成熟化しています。
この「カレー価値軸」への新たな商品の参入は非常に厳しい。
ところが「ICHIROのお母さんが作ったカレー」という価値軸と
STORY性を加えると、ICHIRO CURRYは新しいオンリーワン市場を開拓出来る可能性があります。
イメージを膨らましてみましょう!
これはカレーという価値軸ではなく、ICHIRO選手というプロフ
ェッショナルが食べていた「食」を共有できるという価値軸で
す。ICHIROという憧れの選手とカレーを通じて「同期化」でき
るという魅力価値が生まれているのです。
HERMESの有名なケリーバッグはモナコ王妃のグレースケリー
が妊娠中のお腹をそのバッグで隠した写真がきっかけでケリーバッグとして大流行した事と似ています。
マーケットは「憧れ」を追い求めます。
ICHIRO CURRYをブランド化するとどうなるでしょう?
魅力価値は「ICHIROと同じ物を食べて野球がうまくなる」「ビジネスにおいてもプロフェッショナルになる」の二つが考えられます。顧客ターゲットは「ICHIROのファン」「野球大好き少
年少女」「野球大好き大人」「プロを目指すアスリート」をイ
メージする事が出来ます。(男女 年齢 幅広い)
「野球大好き大人」にターゲットを絞り深堀してみましょう。「野球は仕事で忙しくて出来ないが、ICHIROの生き方を尊敬し
憧れている」このターゲットに絞って「ICHIROのようにプロフ
ェッショナルな仕事を目指す人が食べるカレー」というコンセ
プトでブランドデザインを進めてみましょう。
最初はICHIROが活躍した野球場「神戸スタジアム」を発祥の地
として、又出身地の名古屋地域から「限定」した店舗が有効だ
と思います。球場は「期間限定」ですから球場がある都市のビ
ジネス街が次の出店ターゲットになります。
試合の前にイチローは必ず食べていたという「カレー伝説」が
ありますからこれを「重要な商談日には必ずICHIRO CURRYを
食べるといい結果が出る」という伝説を作るのです。これはキ
ットカットが受験シーズンに盛り上がるのと似ていますね。同
じように「移動店舗」で各地のアマチュアの試合球場で販売す
る事も出来るでしょう。
WEBでは各地の少年野球の試合結果を載せて野球少年や少女の
「身近な勝利祈願食」としてコミュニティーを作る事も可能ですね。
ここで振り返るとICHIRO CURRYは「野球にビジネスに恋愛に
人生に成功をもたらす、頑張っている人が食べる勝利祈願食」というような新たな価値軸が出来て更なる「差別化」が可能に
なりそうですね。
イメージを繋いでをデザインすると面白い!
大事なのは知識よりも想像力である。
アルベルト・アインシュタイン
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