ZARAの価値分析


ファストファッションの代表ブランド ZARA の分析です。

 

初めてこのブランドを見たのは1995年、パリオペラ座の近くで見た事があります。パリの人々は倹約な人が多く店の中はセール中でもないのに大賑わいでした。商品を調べると先週にパリコレにでていた商品と同じテイストのものが販売されているではありませんか!しかもこんな低価格で!二重の驚きをしたことを覚えています。それからあっという間に世界中に広まっていきました。

 

ZARAはヨーロッパでは低価格ブランドという位置付けですが日本ではお洒落で

手頃な価格のファストブランドという位置付けでしょう。なぜならばヨーロッパとアジアでは展開環境が異なります。アジアでの戦略はファッショナブルなブランドイメージを植え付けようとしているのです。ヨーロッパのZARAは日本でみるよりチープに見えます。ハンガーも薄いものですしVISUALやDISPLAYも日本よりは劣っています。しかも価格も平均すると日本の半分程度ではないかと思います。地域によってイメージを変えているのです。

 

ZARAが最も優れているところは企画力だと僕は思います。

パリコレ ミラノコレ が発表される頃にはすでに「商品」として店頭に同じようなテイストの商品が並んでいるのですから。

 

ZARAの価値分析をおこないます。

(参考)

http://connect-de-r1.jimdo.com/感性商品構造/

 

 

商品構造の中核となる機能は「最新のモードを最安に素早く世界中に届ける」という事だと思います。

 

第2構造の「技術」は「一気通間生産体制」と「デザイン力」です。技術は中核に従います。

「一気通間生産体制」はデザイン企原料(紡績染色)縫製 販売」まで全てを自社で行っていることです。最新を最安に素早く世界中に送り出すための技術なのです。日本のアパレルと比較すると全く異なるビジネス形態です、日本の企業は紡績や染色を取り入れる事はありません。別カテゴリーの業界だからです。しかしZARAは一貫した生産体制を引くことを技術として実現させています。この技術力は到底追いつけるものではありません。

 

「デザイン力」は明確な分析はできませんが、わかっているのは相当数のデザイナーやクリエイターがいるということです。DYSONは2/3の 1600人がエンジニアデザイナーです。推測ですがZARAの従業員の半分はクリエイターデザイナーではないかと思います。DIOR CHANNEL等の大きなメゾンで働いていたクリエイターも多いのではないでしょうか?このクリエイションの部分は非公開で外部に漏れないようになっています。最も重要な部分がクリエイションの部分ですから。そしてここを統括しているMDの技術にはSTORYを感じます。

2週間単位で新コレクションをカセットデリバリーをおこなうことが出来るのですから。ZARAはこの二つの他社がまねできない「技術」を持っているのです。

 

第3構造はDESIGNです。この場合は第2構造の「デザイン力」と連動していますので明らかです。

 

第4構造はIMAGE PRESS です。ここでお客様はIMPRESSIONを感じるところです。中核となる機能を表現するのがこのIMAGEです。ZARAの展開エリアや

SHOPの照明 音楽 ハンガー ショッピングバッグ レジ 販売スタッフの接客 服装 サービスの全てが「中核」の最新モードを表現しています。

 

CUSTOMERは「全てのファッションに興味がある人」です。日本のブランドは年齢で区分けすることが多いのですがファストファッションやラグジュアリーブランドは年齢では区分けしません。「テイスト」つまり感性が問題なのですから、年齢は関係ないのです。

 

二つの車輪を見てみましょう。

 

PRICE⇒ 日本ではボリュームより下の低価格ゾーンです。

 

CHANNEL ⇒ 直営店 WEBです。

 

そしてこのブランドのフックは素材デザイン力と価格とのギャップだと思います。

これでこの値段?! というブランドイメージを持たせることに成功したブランドだと思います。